【パティスリーサルビア】創業から約半世紀、時代と共に地域に親しまれる洋菓子店の楕円型フィナンシェ

パティスリーサルビア(千葉県松戸市)

パティスリーサルビア(千葉県松戸市)

創業から約半世紀。二代目シェフの老舗洋菓子店。

千葉県近郊を路線とする新京成電鉄で松戸駅から3駅のみのり台駅徒歩1分の好立地に佇むパティスリーサルビアは、2024年時点で創業48年の老舗の洋菓子店です。

1970年代半ばの先代による創業期はまだまだお菓子といえば和菓子が主流の時代であって洋菓子店は大変珍しく当時としては革新的な存在であったことが伺えます。

現在、跡を継ぐ二代目シェフの荒木 俊浩シェフによると、当時の洋菓子の売れ筋は「まるごとバナナ」であったようで、約半世紀を経て日本における洋菓子の発展において隔世の感を禁じ得ません。

現在のパティスリーサルビアの二代目荒木シェフは製菓学校を卒業後、修行の身として国内外にて様々な学びを深め、2014年に店舗改装のうえ二代目オーナーシェフとして新生パティスリーサルビアが誕生致しました。同店は、いわゆる高付加価値重視の都会的な最先端の洋菓子作りの考え方とはあえて一線を画し、先代より築いてきた「町の中で長年愛される地域密着」をポリシーとした店であり、店舗での商品構成や価格帯など自身が学んだ経験を活かしつつ、そのポリシーを大切に受け継いでおります。

フィナンシェとは「アーモンドのお菓子」

荒木シェフにとってフィナンシェとは「アーモンドのお菓子」とのことです。

いかにアーモンドの美味しさを伝えられるかが決め手であり、同店では油分が多く甘い香りのスペイン産のマルコナ種のアーモンドを使用し、その味を引き立てるための原材料として、特にはちみつとブルーノワゼット(焦がしバター)にはこだわっております

はちみつは甘さが優しく香りがスッキリして主張しすぎず生地の支えになる「れんげのはちみつ」を長らく愛用し、バターは国産バターを加熱しながらヘーゼルナッツ色になるまで丁寧にそしてリズミカルにひたすら混ぜ続けて仕上げる焦がしバターを使用しております

また、同店のフィナンシェは小麦粉を控えめに使用しており、そのためよりいっそうダイレクトなアーモンドと焦がしバターの風味によりシットリとした食感の仕上がりが特徴です。

出来上がった生地は約3時間休ませた後、小分けの楕円の型に流し込み焼成し仕上げていきます。

荒木シェフ曰く、フィナンシェは比較的シンプルな材料とシンプルな製法のお菓子だけに、ひとつひとつの工程をいかに丁寧に仕上げていくかが最終的な美味しさを左右するとても大切とのことです。

故きを温(たず)ねて新しきを知る

長きに渡り歴史を紡いできたパティスリーサルビアを継いだ荒木シェフが大切にしておることは、まさに「温故知新」と「常にお客さま目線の考え方」です。

「温故知新」については創業当初からの半世紀近い長いお付き合いのお客さまの要望にも応えつつ、2代目として自身の類まれ無き経歴にて学び体得した数々の最先端志向の洋菓子へ果敢にチャレンジして、「昔」と「今」を融合いくことです。

一例としては、古くからの名物商品として、チョコレートケーキとサヴァランがあります。

どちらも先代からルセットをそのまま引継ぎ「変わることの無い良さ」として今でも多くにお客さまに支持をされておりパッケージもあえて今風にアレンジすることなく当時のままを作り続けております。

また、一方では新たな食材調達として奄美大島産のパッションフルーツを取寄せ、かつての修行時代に南仏の地で学んだ知見を活かした新商品の開発により「変わっていくことの良さ」を強みとし新たな若年層のお客さまの取り込みにも積極的に力を注いでおります。

「お客さまとの向き合い方」については、町場の洋菓子店の本分として出来るだけ気軽に心地よく安心してお買い求め頂ける環境を重視し、自ら培った洋菓子技術をお客様に還元したい、ご要望を叶えたいと願うとともに常に自身の目の行き届く範囲で納得した味のお菓子を提供したいと考えております。

夢は「現状維持」そして、100年へ

パティスリーサルビア2代目荒木シェフの夢とはまさに「現状維持」。

洋菓子作りがまさに天職であると考える荒木シェフが店舗を引継ぎ9年目を迎えた今、次の30~40年に向け、そして自身が80歳を超えても健康で菓子を作り続けられることこそが壮大なスパンの高いレベルでの「現状維持」かと思います。それもひとえに既に半世紀近い歴史も持つ洋菓子店ならではの説得力のある考えであり、次の半世紀をはっきりと見据えた夢なのであろうと思われます。

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