【パティスリーアリュメット】福島・伊達発!本格派フランス菓子店が焼き上げた優しさ溢れるフィナンシェ。

パティスリーアリュメット(福島県伊達市)

パティスリーアリュメット(福島県伊達市)

パティスリーアリュメット(福島県伊達市)

将来の夢は「お菓子屋さん」

福島県の福島駅から地元のローカル鉄道阿武隈急行でおよそ15分、「伊達氏発祥の地」をキャッチコピーとした高子(たかこ)駅を最寄りとする場所にパティスリーアリュメットは2016年にオープンしました。周辺は緑の野山に囲まれたまるでニッポンの美しい原風景を彷彿させられるたっぷりの自然を感じる景色のなかの閑静な住宅街の一角にひと際目立つ存在のパティスリーです。

同店のオーナーシェフである赤間佑太シェフは、同地で育ちその後東京でのパティシエ経験を経て地元である同地で独立開業しました。

そんな赤間シェフは幼少の頃からお菓子作りに目が無く、幼稚園の卒園文集にすでに「将来の夢はお菓子屋さん」と。

小中学生の頃も友達の誕生日に自作のケーキを振舞うなど当時は独学でお菓子作りを学んでいたそうです。夢に向けて転機となったのは高校生の頃で、地元の進学校に在学していた赤間青年は、クラスの多くの仲間が大学進学を目指す中、その頃地元でオープンしたイタリアンレストランに大きな影響を受けそこで改めて具体的にパティシエの道を志したとのことです。

高校卒業後は上京し洋菓子専門の学校に進学し本格的な菓子作りの学びをスタートします。在学中の1年間は本場フランスでフランス菓子を学ぶとともに最後の半年はフランスのM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)のもとで住み込みで本格的にフランス菓子を学びました。

卒業後は、当時から既に超有名店であった「トシヨロイヅカ」に新入社員同期20人のなかの一人としてパティシエ人生の1歩を踏み出しました。超有名店ゆえのこの時経験した超が付くほどのハードワークはその後の赤間シェフにとって技術の習得のみならず大変大きな精神的な礎ともなったそうです。

「トシヨロイヅカ」では大規模製造であった為、製造は各工程別のポジション制であり5年間の在籍中、数多くのポジションを経験をしましたが「自ら1つのケーキを完成させたい」という想いから、その後世田谷区三軒茶屋の「パティスリー エ カフェ プレジール」に移籍し今度はシェフパティシエとして将来の独立開業を見定め小規模製造のノウハウを学び研鑽を積みました。

そして2016年に地元に戻り「パティスリーアリュメット」を独立開業に至ります。

あたりまえのことをあたりまえにすることの難しさ

パティスリアリュメットオーナーシェフである赤間シェフの菓子作りにおけるの基本的な考え方は、「あたりまえのことをあたりまえにすること」です。つまり、「きちんとした材料」で「きちんとした製法」で「きちんとお客さまにご提供すること」が大切であると考えております。

例えばフィナンシェの場合、シェフ曰く「フィナンシェは作り方がとてもシンプルなお菓子です、だからこそそのひとつひとつの工程をきちんとすることが美味しく仕上げるためにはとても大切」とのことです。

その最も重要な工程は「生地」の扱いであり、特に生地の「混ぜ合わせ方」こそがきちんとすべきポイントとのことです。

はじめに卵白と砂糖を混ぜ、そこにアーモンドパウダーを混ぜそこに小麦粉を混ぜる。この時点での混ぜ方には、シェフが何気なく坦々とこなしておるようで、実は手に鋭いセンサーが働いており、その日の気温や湿度に応じて細かく微妙に練りを調整しグルテンの加減を見極めそして素早く仕上げております。

その後更に重要工程として、溶かしバターを混ぜ合わせる際はバターの油脂分をしっかりと乳化するよう「きちんと」生地同士をつないでいくことが仕上がりを大きく左右するポイントとのことです。

仕上がった生地を型に流し込む際もいかに素早く適量を流し込むかが大切なことであり、「生地は触れれば触れるほどダメージを受ける」と。

いかに手早く手数少なく生地を扱うが、赤間シェフの考える「きちんとした製法」であり納得の美味しさに繋がる所以でもあろうかと思います。

フルーツ王国・福島地元食材の積極活用!

赤間シェフが自らの故郷での独立開業にあたっては「出来るだけ地元の食材を使うこと」を大切に考えております。

福島県は言わずと知れた全国有数のフルーツ王国であり、桃、りんご、ぶどう、洋梨と季節を通して様々なフルーツの名産地でもあります。そういったフルーツは菓子作りには欠かせない食材であり、シェフ自らフルーツ農家を廻り旬なフルーツを鮮度抜群の状態で存分に使用することが出来るのは、福島県のパティスリーならではの大きな強みともいえます。

しかしながら地元のフルーツ農家さんほど自ら育てたそのフルーツの質の高さについて、あまりにも身近な環境であるためかその魅力に気付いていないこともあるようです。

そこで赤間シェフとしては、例えば市場経由の仕入となる首都圏の店舗では絶対に考えられないような、たった数時間前に収穫したばかりのまだ温かく瑞々しい桃を使い老若男女に親しまれるスイーツに仕上げることで、まずは地元の方にこそ地元の素晴らしさを再認識してもらい、もっともっと地元を元気にしていきたいという強い想いがあります。

また、一方で将来的には地元以外にもさらに広くそして多くの方に食材のポテンシャルの高さを知って頂くよう発信し続けていきたいとのことです。

地元愛ゆえに、けして迎合しない本物志向

開業当時、地元周辺では本格的なパティスリーと呼べる菓子店はまだ無かったようです。

そこで赤間シェフはそれを好機と捉え、本来すぐにでも地元の方に親しまれやすいコスパ重視の定番洋菓子の販売よりもむしろ自らの渡仏経験をはじめ長年洋菓子激戦地・東京で磨いた技を活かした「高い視点」を変えることなく、その質感こそを新しく地元の方にも知って頂きたいとブレずに開業以来「本物志向」にこだわり続けております。

今ではその本物志向が地元では高く評価され多くのお客さまにも支持されております。また近年その志に賛同する地域のパティスリーの輪も広がりをみせておるようです。

「優しさ」に包まれたフィナンシェ。

シンプルなお菓子であるフィナンシェのなかでも特にパティシエの目指すフィナンシェにおいて違いが出やすい特徴的な原料や製法に、「アーモンドの種類」と「バターの扱い方」があります。

赤間シェフは自らのフィナンシェにおいて、アーモンドはアメリカ・カルフォルニア産にこだわっております。

一般的な産地としては欧州産(スペイン産)と二分されるところですが、シェフ曰く「欧州産は香りが良くビターな味わいでありトラディショナルなリッチテイストに仕上がる」と。一方「米国産はまろやかで甘味が感じられ優しい味に仕上がる」と。

また、バターの扱いについても伝統的な製法としては焦がしバターが主流のなか、赤間シェフは自身の求めるなじみやすく優しい味に仕上げるためあえてバターを焦がすことなく作っておるとのことです。

シェフにとってフィナンシェとはふわっと優しい味わいで誰もがほっと出来る存在を目指しておると。

座右の銘は「温和丁寧」

赤間シェフの座右の銘は「温和丁寧」。そこには菓子作りに正面からきちんと向き合い、食べる人に温もり感じさせる赤間シェフ流の優しさが籠っておるのだと思います。店名の「アリュメット」はフランス語でマッチ(マッチ箱)のことを意味します。店舗ロゴのウサギが持っているのもマッチです。

マッチはほんの少しでも明るさと温かさを与えてくれる、もしかしたらその小さな灯が大きな輝きを創るきっかけとなるかもしれない。地元にとってお客さまにとってパティスリーアリュメットはそんな存在でありたいとの想いで名付けられたそうです。

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